「育成専門牧場」齊藤牧場の代表、齊藤 智博と申します。当牧場では、九州でも数少ない育成専門牧場として、50年以上にわたり事業を続けてまいりました。牛の牧場形態には大きく分けて「繁殖・育成・肥育・酪農」の4つがあります。当牧場はその中でも「育成牧場」として、生後間もない子牛を6～8ヶ月かけて育て、肥育農家へ送り出す役割を担っています。この育成作業は、牛の健康管理や成長を見守る繊細な仕事であり、特別な知識と経験が求められるものです。そのため、育成牧場自体が非常に珍しく、私たちはこの分野に特化した専門性を強みとして活動しています。

私自身、大学卒業後に一般企業に就職したのち熊本に帰省し、この仕事を始めて20年以上が経ちました。当初は両親と私の3人で200頭ほどの規模でやっておりましたが、結婚を機に事業継承をし二代目として牧場を継ぎました。この14年程で約5倍ほど事業を拡大し、現在では約1,500頭から2,000頭規模に成長し、毎年1,800頭以上の子牛を出荷しています。

ミルクを飲んでいた子牛たちが、約半年間の飼育を経て大きく成長し、出荷されていく時はとても嬉しい気持ちでいっぱいです。最初は1人しかいなかった従業員も、今では15人以上になり、一人ひとりが愛情と責任を持って仕事に取り組んでくれています。これからも誠実な姿勢で、地域や業界の未来を支える存在でありたいと考えています。

挨拶・礼儀・笑顔・感謝

齊藤牧場では、創業当初より「挨拶・礼儀・笑顔・感謝」を理念として掲げ、日々の業務に取り組んでいます。この理念は、スタッフ一人ひとりが自分の成長を実感しながら働くための指針であり、地域社会への感謝を形にするためのものでもあります。

牧場の仕事は命を扱う厳しさと責任を伴います。そのため、仲間同士の信頼や協力が欠かせません。笑顔での挨拶や礼儀を重んじることで、自然とチームの連携が深まり、牧場全体の活気が生まれます。また、地域の皆さまと共に歩む私たちは、近隣の方々との交流をとても大切にしています。「きみの所の従業員は皆、笑顔で挨拶をしてくれるけん気持ちがいい」といった声をいただけることは私たちの誇りです。
これからも地域とのつながりを深めながら、理念に基づいた温かく誠実な仕事を続けてまいります。